オーナーと家賃保証会社との間のトラブルと対策

家賃保証契約における3つのトラブル事例と対策

1.「免責期間の取り決め」によるトラブル

トラブル

家賃保証契約の場合、一般的に30日~60日程度の免責期間が設定されています。
これは家賃保証会社が空室の家賃を保証するリスクを回避するために設けているもので、免責期間の間は家賃保証会社からオーナーへ入金されることはありません。

この免責期間の設定は法的観点からすると何も問題は無いのですが、保証会社側が一方的に有利となる免責条件で契約を結んでしまうことになるので、後日さまざまなトラブルに発展するケースが多く見られます。

免責期間についてはオーナーからの交渉も可能ですので、条件や期間をしっかりチェックし、納得できない場合は免責期間の短縮や出来高払いなどの条件提示を試みましょう。

2.「家賃減額の取り決め」によるトラブル

家賃保証契約を結ぶと、保証会社は家賃滞納や空室のリスクを負うことになります。
そのリスクを回避・軽減するため、保証会社は物件の稼働率や空室率を基として一定期間ごとに保証家賃の再設定を行います。

この再設定時、保証会社は「稼働率悪化」などの理由から保証家賃の減額をオーナーに請求することが可能ですが、この点もオーナーの不利益に繋がるケースが多く、トラブルの原因の一つとされています。

保証会社がオーナー側に行う保証賃料の減額請求は、借地借家法32条一項の借賃増減請求権で認められています。
そのため、減額請求自体を拒否することはできませんが、契約時に保証賃料の最低保証金額を提示、設定するなどの対策は可能です。

最低保証金額を設定しておけば、稼働率の悪化や周辺相場の下落といった事態が起こっても想定以上の保証家賃の減額を請求されることはないため、オーナー側も一定の家賃収入を維持することができます。

3.「滞納家賃請求もれ」によるトラブル

家賃保証契約のメリットの一つに、「入居者が家賃を滞納した場合は保証会社が滞納家賃を保証するため、滞納リスクを軽減・カバーできる」という点があります。

しかし、「家賃保証契約を結んでさえいれば保証会社が滞納家賃を自動的に保証してくれる」というわけではありません。
実際は定められた期日までに申請を行う必要があり、もし請求漏れを起こしてしまった場合、保証家賃の支払いを受けることはできなくなります。

また、この手続きは滞納が続く限り毎月行う必要があり、オーナー側の負担も決して少なくありません。
この点については保証会社とオーナーとの間に認識の齟齬(そご)が起こることが多く、トラブルに繋がりやすいとされています。

滞納家賃の請求に関しては、契約時に手続き方法や期日などの説明を十分に受け、事前に手続きフォーマットの準備や担当者の緊急連絡先の確認を行っておきましょう。

トラブルの原因は「説明不足」と「理解不足」

家賃保証会社とオーナー間に起こる代表的なトラブルを挙げてきましたが、共通するのは根本に「保証会社の説明不足」「オーナー側の理解不足」があることです。

国土交通省は近年の家賃保証に関するトラブルの多発を受け、平成28年9月1日に賃貸住宅管理業者登録制度を改正し、契約締結前に賃貸住宅管理業者オーナーに対して将来の借り上げ家賃の変動に係る条件を書面で交付することや、重要事項の説明を義務付けするなどのルールを新たに設けました。

トラブル回避のためにはこのルールを踏まえつつ、家賃保証契約の際は契約条件条項をしっかりと読みこみ、疑問点や理解できない部分があった場合は納得いくまで保証会社へ説明を求めることが大切だと言えるでしょう。