リプラス倒産から知る家賃保証会社のリスク

このページでは、倒産した家賃保証会社、リプラスの事例を反面教師として、リスク回避するための家賃保証会社選びを説明します。

家賃保証会社の倒産で起きうるトラブルとは

家賃保証会社の倒産リスク説明イメージ株式会社リプラスとは平成20年に破産した家賃保証会社。当時、業界の中でもメジャーな存在であった同社の倒産は大きなインパクトがありました。本来、家賃滞納のリスクをカバーするために、家賃保証会社に保証料を支払っているわけで、肝心の家賃保証会社が倒産してしまって、債権回収できないなどといった状況は、本当にシャレにもなりません。

そこで、リプラスの倒産を分析することで、同様の事態が起きた時、どんなトラブルが発生するかをまとめてみました。

一度にまとまった数の保証人変更が必要

リプラスの倒産時は45万件もの賃貸物件契約で保証人が破産したともいわれています。物件オーナーという立場で考えても、自分の所有物件で利用する家賃保証会社は1社になるわけで、そこが倒産してしまうと入居者の数だけ保証人破産が起きうるわけです。

家賃の重複化リスクが発生

入居者がリプラスに家賃を支払っていたとしても、リプラスが物件オーナーに支払う前に倒産したケースでは、入居者にとって物件オーナーに対する家賃という債務が残ったままになってしまいます。

物件オーナー(賃貸人)の負担が増加

これはリプラス倒産後の事象ですが、家賃滞納しているような入居者だと簡単に代わりの保証人を見つけることもできないのが現実。一方で物件オーナーとしては家賃回収するための稼働が増えたり、結果的に回収不能となったケースも少なくないようです。

できるだけ倒産リスクを回避するための家賃保証会社選び

家賃保証会社のビジネスモデルは、不動産業というよりは金融業に近いといえます。手数料をとって債権回収リスクを負うわけですから、独自の審査基準債権回収ノウハウがなければ経営も順調にはいかないでしょう。

そこで、物件オーナーが家賃保証会社を選ぶ際には、ごく当たり前のことですが無借金経営企業体力などをチェックして、倒産のリスクの少ない企業を選んでください。保証料など契約条件も重要ではあるのですが、破産されては元も子もありません。

また、近年注目されているのが信託スキーム。これは家賃の振込先を信託口座にすることで、万が一家賃保証会社が破産しても口座の家賃は守られるというもの。こうしたスキームが生まれたのも家賃保証会社の破産リスク回避策のひとつといえます。

家賃を集めて管理する保証会社が倒産しても集金した財産が守られる「信託サービス」

家賃保証会社のサービスとして、近年増えてきている信託スキームのシステムについて、よく分からないという方も多いのではないでしょうか。

信託とは簡単にいうと、信頼できる人や会社に財産を管理してもらうこと。元の財産を持っている人を「委託者」、財産の管理を任された人を「受託者」と呼びます。

受託者は、最初に委託者と結んだ信託契約に従って、財産を管理・処分して配分します。財産の配分、つまり利益を受け取る人を「受益者」と呼びます。受益者には、受託者が財産をきちんと管理しているのか、監督する権限があります。

集めた家賃は、信託財産として家賃保証会社が管理する信託スキーム

この信託というシステムを、家賃保証会社との契約に当てはめてみましょう。すると、賃貸物件を借りている入居者が委託者、家賃保証会社は受託者、賃貸物件を持っている貸主が受益者となります。

入居者は家賃保証会社に対して家賃を支払いますが、それは家賃保証会社の財産とはなりません。あくまで家賃保証会社が管理している信託財産なのです。

家賃保証会社はその信託財産を管理して、受益者である貸主、物件オーナーに、入居者から集めた家賃を渡します。これが家賃保証会社の信託スキームです。

一時的に家賃保証会社の財産になる集金代行システムでは家賃が保証されない

信託スキームは一見、従来の集金代行システムと変わらないように思えます。しかし最も異なる点は、入居者から集めた家賃の持ち主が誰になるのか、ということです。

従来の集金代行システムでは、集めた家賃はいったん家賃保証会社の財産となります。そこから改めて、貸主に家賃が支払われます。

すると万が一、家賃保証会社が倒産してしまった時には、集めた家賃は家賃保証会社の財産として処分されてしまいます。そのため、貸主に支払うことができません。

信託スキームの場合、入居者が払った家賃は、あくまで家賃保証会社が預かって管理を任されだけという形になります。家賃保証会社の財産とはまったく別に、信託口座で管理されています。

ですから家賃保証会社に万一のことがあっても、家賃は全額、貸主に支払われます。そのようなリスクを回避できるのが信託スキームなのです。

家賃保証会社の管理を監督する透明性のある信託スキーム

信託スキームには、ほかにも利点があります。信託財産の流れが見えやすく、透明性が確保できることです。

信託契約では、受益者である貸主には信託行為を監督する権限があります。言い換えると、受託者である家賃保証会社がきちんと信託財産を管理をしているのか、チェックする権利がある、ということです。

家賃保証会社は、貸主から求められれば、信託財産をどう管理しているのかを公開しなければなりません。そのため、必然的に安定した資金管理がなされることになります。

また、信託口座に入っている財産は、「信託法」という法律によって管理されています。これに違反した場合には、もちろん罰則があります。

家賃保証会社の経営が困難な状態になってきた場合にも、信託口座で管理されている家賃を経営資金に流用することはできません。ですから、家賃保証会社がどのような状態であっても、集めた家賃だけは確実に保全されるのです。